あなたの原稿の類似性チェックは誰が行い、何と照合しているのか
著者はこのチェックを、オープンなウェブ上で自分の文章を探し出す検索エンジンのように想像しがちです。しかしその裏にある仕組みはもっと具体的で、細部のいくつかは、一致箇所が実際に何を意味するのかを変えてしまいます。
HumanPen チーム
· 7 分
手短に言うと
投稿先のジャーナルがCrossrefに所属しSimilarity Checkを利用している場合、そのチェックはCrossrefが会員向けに割引料金で提供しているサービスであり、TurnitinのiThenticate上で動いています。あなたの原稿がこのチェックを通るかどうかは出版社が参加しているかどうかによるので、まず確認すべきなのはその点です。適用される場合の流れはこうです。編集者が原稿をアップロードしてレポートを受け取るのであり、あなたが実行することはなく、送ってもらわない限り通常は目にすることもできません。またCrossrefは、参加会員がSimilarity Checkデータベース内の論文本文へ、照合目的に限り読み取り専用でアクセスできるとしており、そのデータベースを78 million件を超える学術コンテンツの全文から成ると説明しています。
実際に実行しているのは誰か
Crossrefはこのサービスを一行で説明しています。「A service provided by Crossref and powered by iThenticate—Similarity Check provides editors with a user-friendly tool to help detect plagiarism.」(Crossrefが提供しiThenticateが稼働させるサービスであり、Similarity Checkは編集者に盗作の検出を助ける使いやすいツールを提供する。)
この文のうち2語が、著者にとっての意味の大部分を担っています。
編集者。 このツールは編集者のためのものと説明されており、編集者が「論文をアップロードする」と、「a report highlighting potential matches and indicating if and how the paper overlaps with other work」(潜在的な一致を強調し、その論文が他の著作と重複しているか、そしてどのように重複しているかを示すレポート)が返ってきます。目的として挙げられているのは「assess the originality of the work before they publish it」(出版する前にその著作の独自性を評価すること)です。あなたはこのソフトウェアの利用者ではなく、その対象なのです。
会員。 Similarity CheckはCrossrefの会員向けサービスです。Crossrefによれば、この取り決めによって会員は「reduced-rate access to the iThenticate text comparison software from Turnitin」(TurnitinのiThenticateテキスト比較ソフトウェアへの割引料金でのアクセス)を得るとされ、「Only Similarity Check members benefit from this tailored iThenticate experience」(この特別仕様のiThenticate環境を利用できるのはSimilarity Check会員のみ)とされています。つまり、あなたの原稿がこのチェックを通るかどうかは出版社の参加次第であり、それは研究分野ではなく出版社についての事実です。
それはまた、「ジャーナルが盗作チェックを実施した」という言葉が少なくとも2つの異なる状況を指しうることも意味します。この仕組みに参加している出版社の場合と、まったく別のものを使っている出版社の場合です。数字を告げられたら、それをどちらが算出したのかを尋ねてかまいません。
上を読むうえでひとつ心に留めておきたいことがあります。Crossrefは会員にこのサービスを提供している組織であり、割引されたチェック料金が付随しています。その説明は取り決めがどのようなものかについては正確ですが、そのチェックを実施する価値があるかどうかの独立した評価ではありません。この記事にある引用はすべて仕組みの記述であり、それを評価したものではありません。
何と照合されるのか
照合対象の集合は、著者がいちばん誤って想像しがちな部分です。
Crossrefはこのデータベースを「over 78 million full-text scholarly content items」(78 million件を超える学術コンテンツの全文)を含むと説明し、会員になることで得られるものとして「read-only access to the full text of articles in the Similarity Check database for comparison purposes」(照合目的に限り、Similarity Checkデータベース内の論文本文へ読み取り専用でアクセスできること)を挙げています。
要旨でもメタデータでもなく、本文です。iThenticateのドキュメントは検索対象をさらに広く説明しています。選択した設定によっては、「billions of pages of active (and archived) internet information, previously submitted works」(数十億ページに及ぶアクティブな、およびアーカイブされたインターネット上の情報、既提出の著作)や「tens of thousands of periodicals, journals, and publications」(数万の定期刊行物、ジャーナル、出版物)が含まれる場合があります。
覚えておく価値のある2つの帰結があります。
- 有料購読の論文も照合対象に含まれます。 自分で読めないからといって、自分の文章がそれと照合されないということにはなりません。
- 対象はチェックごとに選ばれます。 検索対象はその課題ごとに選択されると説明されているため、同じ原稿を扱う2人の編集者が、異なる対象に対して実行している可能性があります。一方から出た数値は、他方から出る数値の予測にはなりません。
レポートが示すものと、示さないもの
iThenticateのガイダンスは、強調表示とはテキストの重複についての記述でありそれ以上のものではない、と冒頭で警告しています。正しく引用された箇所や文献リストの項目が光るのは想定内です。
パーセンテージそのものは単なる算術であり、ドキュメントにもそう書かれています。何かと一致した語数を数え、原稿の総語数で割る。この式は、出典が明示されているからといって何かを差し引くことはしません。
ただし、それは文献リストが必ず数値を押し上げるという意味ではありません。それを決めるのはフィルターであり、iThenticateのフィルター解説は、文献リストの除外設定が「automatically identifies and ignores reference lists or bibliographic sections so they don't inflate the similarity percentage」(参考文献リストや文献セクションを自動的に認識して無視し、類似性パーセンテージを押し上げないようにする)と説明しています。さらに、引用符で囲まれたテキストと引用されたテキストには別々のスイッチがあります。つまり同じ原稿でも、文献リストを含めたパーセンテージと除外したパーセンテージが出る可能性があり、その数値自体はどちらなのかを教えてくれません。誰かに数字を突きつけられたら、まずそこを尋ねるべきです。
だからこそレポートは、一致箇所の周囲に引用符と本文中の引用があるかを検出できたかによって分類します。これは独自の、文書化された限界を抱えた認識ステップであり、同じパーセンテージの2つの原稿がまったく異なる意味を持ちうる理由でもあります。
自分の既発表論文はどこに位置づくのか
データベースは会員が登録したコンテンツから構築されています。CrossrefはSimilarity Checkのどちらのページでも、著者にとっての帰結を明示していません。ですから以下は引用ではなく推論として受け取ってください。参加会員から出版したことがあるなら、自分の論文は、後続の原稿が照合されるコーパスに含まれていると考えるべきです。あなた自身の次の原稿も含めて。
これは、著者が2度目にぶつかる謎への平凡な説明です。新しい論文の一部が、自分で書いた論文と一致する。それはチェックの欠陥ではありません。あなたが入っているコーパスに対して、チェックが機能しているだけです。
それは、自分の文章の再利用がその分野で許容されるかを決めるものではありません。レポートに表示されるというだけであり、驚くのではなく説明できるようにしておくべきだということです。
バージョンについて、手短に
Crossrefのドキュメントには、iThenticate v1とiThenticate 2.0の設定手順が挙げられています。ブラウザ上で2.0を直接動かす方法、原稿追跡システムとの連携で動かす方法、さらにv1から2.0へ移行する手順も含まれます。
つまり、見せられるレポートは複数のインターフェースのいずれかから来る可能性があり、利用できるレポート機能も異なります。誰かが「Similarity Checkのレポート」の数字を引用してきたら、その背後にあるバージョンと除外設定はどちらも正当な質問です。そしてそれは、その数字の意味を変える質問です。
著者に実際にできること
- 投稿先のジャーナルが参加しているか確認する。 そして何に参加しているかも。出版社レベルの事実であり、執筆者向けガイドラインに書かれていることも多いです。
- 要旨ではなく本文を想定する。 要旨しか見られない論文を綿密に言い換えた箇所も、照合対象の中にあります。
- 自分の過去の著作は出てくると想定する。 そして、どの部分を再利用したのか、なぜそうしたのかを説明できるようにしておく。
- 設定がどうだったかを尋ねる。 パーセンテージを原稿の性質とみなす前に。それは比較の性質であり、比較にはパラメータがあります。
- 数値を結論とみなさない。 一致はそれ自体では結論ではないと、ガイダンスは明示しています。有用なのは一致の一覧と、それぞれがどう帰属づけられているかです。
レポートにもうひとつ数字がある場合
出版社のライセンスに含まれていれば、類似性の数値と並んでAI執筆の指標が付いて戻ってくる原稿もあります。それは別の計測であり別の意味を持ち、引用をどれだけ整えても動きません。
HumanPenというツールは、その2つ目の数字だけを扱います。原稿とレポートを渡せば、強調表示された箇所のすべてが作業の全体です。
類似性の側については、正直な助言は退屈なものです。帰属を明記し、正しく引用し、除外設定がどうだったかを尋ね、再利用を説明できるようにしておく。一致した文献リストの解決策として、書き換えツールを売りつけられる筋合いはありません。
よくある質問
自分の原稿でSimilarity Checkを実行できますか。 この経路ではできません。Crossrefは会員向けのサービスであり、編集者に論文をチェックするツールを提供するものだと説明しています。アクセスは個人の著者ではなく会員組織に紐づいています。
オープンアクセス論文とだけ照合するのですか。 いいえ。Crossrefは、Similarity Checkデータベース内の論文本文へ会員が照合目的で読み取り専用アクセスできるとしており、そのデータベースは78 million件を超える学術コンテンツの全文を保持すると述べています。
自分の過去の論文は一致として表示されますか。 表示される可能性があります。照合コーパスは会員が登録したコンテンツから構築されているため、既発表の著作、あなたのものも含めて、新しい原稿の照合対象の一部です。
同じ原稿なのに2人の編集者から異なるパーセンテージを提示されました。どちらが正しいのですか。 可能性としては両方です。検索対象はチェックごとに選択され、レポートには除外設定があります。つまりパーセンテージは特定の比較を記述するものであり、ファイルの固定された性質ではないのです。
続きを読む