ZoteroやEndNoteの書き出しが求められたスタイルに合わないことがある理由

参考文献は三つの層で間違いうる。ソースのメタデータ、アイテムタイプ、スタイル規則である。管理ツールは手持ちのデータを整形するだけなので、見た目が整った出力でも、著者の欠落、誤った雑誌略名、古いローカル変種を完璧に再現してしまうことがある。

HumanPen チーム

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スタイルを変える前に、どの層かを見きわめる

出力がおかしいと、ついスタイルファイルのせいにしたくなる。しかし多くの場合、スタイルは不完全なデータや分類違いのデータに対して、書かれたとおりに動いているにすぎない。もっともスタイルファイル自体が古かったり、別のローカル変種を表していたりすることもある。だから最初に問うべきなのは「Zoteroが壊れているか」ではない。「誤った指示や値を渡したのはどの層か」である。

CSLスタイルとは命令の集まりである。雑誌略名はここ、巻数は斜体、タイトルはセンテンスケース、といった具合だ。ライブラリのアイテムに雑誌略名が保存されていなければ、その命令には置くものがない。スタイルは完全なタイトルにフォールバックするか、空欄を残す。どちらもスタイルのバグではない。

参考文献管理ツールは整形を自動化する。取り込んだメタデータが正確であることまでは保証しない。自動化は、整ったデータは整ったままにし、悪いデータは一貫して悪いままにする。
  • メタデータ層: 著者、タイトル、日付、収録誌、巻、号、ページ、DOI、言語が、ソースを正しく表していなければならない。
  • タイプ層: アイテムがジャーナル論文、章、会議論文、データセットなど正しいタイプでなければ、スタイルはどのフィールドを使うべきか判断できない。
  • スタイル層: インストールしたCSLスタイルまたは出力スタイルが、要求された版と、雑誌固有の変種に合っていなければならない。
  • 文書層: 生きた引用フィールドが、リンクを保ち、更新され、次の更新で上書きされる手編集を含まない状態でなければならない。

最初の二つの層と三つ目の層は、簡単なテストで切り分けられる。ライブラリでアイテムを開き、生のフィールドをソースと突き合わせる。著者や日付がすでにそこで間違っているなら、スタイルを替えても直らない。フィールドは正しいのに句読点や並び順が目標の例と違うなら、選んだスタイルと変種を調べる。

とくに雑誌略名フィールド

雑誌略名は、医学・化学分野の投稿で不適合を招きやすい。Vancouver形式の出力には通常NLM略名が必要で、ACS系の雑誌はCASSI形式を求めることがある。一般的な短縮規則では、どんな完全な雑誌名からでもこうした統制された略名を確実に導くことはできない。

このフィールドは、出版社のページ、データベース、サイトトランスレータが何を出してくるかに大きく左右される。よくある失敗は、空欄、略名欄に完全なタイトルが入っている、別の慣習の句読点、改名後も古い誌名が残っている、といったものだ。同じ論文の二つのレコードが食い違うのは、一方が出版社ページ由来でもう一方がデータベースの書き出し由来というだけの理由で起こる。

フィールドが空のとき、ZoteroはIndex Medicus/MEDLINE形式で自動的に略記することができる。医学には役立つが、ACSは解決しない。ACSの略名には医学の慣習が省くピリオドが付くからだ。

Zoteroのドキュメントは重要な優先規則も説明している。Journal Abbrフィールドに値があればそれが使われ、MEDLINEの自動略記は一般にその欄が空のときのフォールバックだという。つまり、保存された悪い値が、より良い自動結果を上書きしうる。略記エンジンが失敗したと決めつける前に、アイテムを確認してほしい。

  • NLM形式の場合、 目で見てピリオドを削るのではなく、NLMカタログで雑誌を確認する。
  • 化学の場合、 投稿先の指示とCASSI形式を確認する。どのハウススタイルも同じ句読点に従うわけではない。
  • 改名された雑誌の場合、 自動的に現在の誌名ブランドではなく、引用した号に合った誌名と略名を使う。
  • 特定できない誌名の場合、 略名を捏造しない。権威ある短縮形がないときは、完全な誌名を選ぶスタイルが多い。

完璧な整形をすり抜けるその他の失敗

  • 大文字小文字。 APAは論文タイトルにセンテンスケースを求め、MLAとChicagoはタイトルケースを求める。管理ツールは取り込まれた時点の大文字小文字を保存する。データベースの書き出しはあらゆる組み合わせがあり、解析できないタイトルの大文字小文字をスタイルが確実に直すことはできない。固有名詞、頭字語、種名が含まれる場合はなおさらだ。
  • 著者名の解析。 「van der Berg」、ハイフン付きの姓、姓を先に書く中国名、単一名の著者は、取り込み時にみな誤って分割され、スタイルは誤った方の半分を整形する。
  • アイテムタイプ。 会議論文をジャーナル論文として保存すれば、ジャーナル論文として整形される。完璧に、そして誤って。プレプリント、学位論文、規格、データセットがいつもの被害者だ。
  • スタイルの鮮度。 Zoteroのスタイルリポジトリはコミュニティが維持している。スタイルは版の変更に遅れることがある。APA 6から7では出版社の所在地が消え、et al.の閾値が変わった。古いスタイルは一貫して古い出力を生む。
  • 識別子と所在情報。 URL接頭辞付きで保存されたDOI、ページ欄に入った論文番号、後に決まる巻が抜けたオンライン先行のレコードは、重複や不正な所在情報を生みうる。
  • 日付と版。 ウェブ公開日、号の発行日、アクセス日は別のフィールドだ。書籍には、オンラインで見つかった最新版ではなく、引用した版が必要である。
  • 言語と保護された大文字小文字。 頭字語、遺伝子記号、地名、非英語のタイトルが例外的な大文字を保つべきだということを、スタイルは確実には推定できない。メタデータが正しく示していない限りは。

重複はこれらの誤りを見えにくくする。あるライブラリのレコードには修正済みの著者が入っているのに、文書で引用されている別のレコードにはまだ悪いタイトルが残っている、ということが起こる。手当たりしだいに片方を削除するのではなく、管理ツールの中で重複を統合し、それから文書を更新して、すべての引用が残ったアイテムを指しているか確認してほしい。

引用が生きたままであるかぎり、生成済みの文献リストへの手編集はもろい。管理ツールは変わっていないライブラリのデータから正しく出力を再生成するので、次の更新で上書きされうる。修正を草稿をまたいで残したいなら、アイテムかスタイルを直す。出力だけの編集は、管理された最終版のために取っておく。

実際に効く直し方

執筆中の原稿なら、元のデータを直すのが長持ちする手である。ライブラリのアイテムを正せば、そのアイテムが出てくるすべての箇所でスタイルが正しく出力できる。締め切り前に人生分のライブラリ全体を掃除しようとするより、引用されているレコードを優先してほしい。

参考文献が百本以上ある完成原稿には、リスクに応じた監査を行う。著者、年、タイトル、出典、所在情報の欠落を全アイテムで確認し、次に出典タイプごとに書式を抜き取り、対象スタイルが特別扱いするフィールドを細かく見る。ジャーナル論文百本に必要な確認は、データセット、規格、章、ウェブサイトが混ざったリストに必要な確認と同じではない。

  • まず更新する。 引用管理ツールの警告を解消し、文献リストが現在の文書から生成されていることを確認する。
  • 必須フィールドを検証する。 空の日付、作成者、収録タイトル、DOI、ページ/論文番号を、並べ替えや絞り込みで探す。
  • 難しい例を突き合わせる。 目標のガイドを使って、著者の多い論文、章、ウェブページ、その分野固有の出典を確認する。
  • 修正の置き場所を選ぶ。 再利用できる真実はライブラリで、規則はスタイルで、文書で直すのは最終的な一回きりの出力だけ。
  • 凍結するのはコピーだけ。 引用のリンクを外したり静的なテキストに変換したりする必要があるなら、生きたフィールドを持つ編集可能な版を残す。
文書が生きているうちに、信頼できる元データを直す。静的な出力を直すのは、その後のライブラリ更新がその変更を引き継がないと理解しているときだけにする。

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