Winston AI と Turnitin:AI 判定スコアが食い違う理由

Turnitin に提出する前に、自分のレポートを Winston AI に通しておく学生は少なくありません。この 2 つのツールはモデルが違うため、出てくるスコアも違います。Turnitin の FAQ には、判定の仕組み、偽陽性の目標値、アスタリスクの扱いが書かれています。ここでは、ツールをまたいでスコアを比べることがなぜ成り立たないのかを説明します。

HumanPen チーム

· 4 分

結論から言うと

Winston AI と Turnitin は別の AI 判定ツールです。モデルも学習データも、判定のしきい値も違います。片方のスコアからもう片方のスコアを予測することはできません。Turnitin の FAQ は仕組みをこう説明しています。テキストは重なり合う区間に分割され、それぞれに 0 から 1 の確率が付けられる、と。同じ FAQ には、AI 記述が 20% を超える文書について偽陽性率を 1% 未満に抑えるという目標値と、1〜19% のスコアにはアスタリスクを使うという決まりも書かれています。Winston AI は独自の精度を公表していますが、それはベンダー自身が出した数字であり、Turnitin のドキュメントと突き合わせて確かめることはできません。意味を持つのは、自分の所属先が使っているツールのスコアだけです。学校が Turnitin を使っているなら、第三者ツールのスコアから自分の Turnitin スコアを知ることはできません。

Turnitin の判定はどう動いているのか

FAQ には、判定の流れがこう書かれています。

"When a paper is submitted to Turnitin, sentences from the submission are extracted and segmented into overlapping sections for prediction analysis. Each segment is classified by the AI detection model and given a value between 0 and 1, denoting the probability of the text being likely human or AI-generated."(論文が Turnitin に提出されると、提出文から文が抽出され、予測分析のために重なり合う区間に分割されます。各区間は AI 判定モデルによって分類され、0 から 1 の値が与えられます。これは、そのテキストが人間によるものか AI によるものかを示す確率です。)

区間は重なり合っているため、同じ文に複数のスコアが付くことがあり、それらがまとめられて文書全体のパーセンテージになります。Winston AI は独自の分類方法を使っていますが、Turnitin の資料にはその記載がありません。仕組みが違えば、テキストの見方も変わります。

Turnitin が目標とする偽陽性率

FAQ には、はっきりとした目標値が示されています。

"We strive to maximize the effectiveness of our detector while keeping our false positive rate - incorrectly identifying fully human-written text as AI-generated - under 1% for documents with over 20% of AI writing."(私たちは判定器の効果を最大限に高めることを目指しつつ、偽陽性率、つまり人が書いたテキストを誤って AI 生成と判定してしまう割合を、AI 記述が 20% を超える文書について 1% 未満に保つよう努めています。)

その次の文です。"In other words, we might flag a human-written document as AI-written for one out of every 100 fully-human written documents."(言い換えれば、人が書いた文書 100 件のうち 1 件は、AI が書いたものとして判定してしまう可能性があるということです。)

この目標値は Turnitin 独自のもので、AI 記述が 20% を超える文書に適用されます。Winston AI が公表している偽陽性率はこれと異なるかもしれませんが、2 つの数字を比べるには、それぞれのベンダーが偽陽性をどう定義し、どう測っているのかを押さえておく必要があります。私たちは第三者ツールの精度について断言しません。

アスタリスクの決まり

低いスコアについては、Turnitin には独自の表示ルールがあります。

"To avoid potential incidence of false positives, no score or highlights are attributed for AI detection scores in the 1% to 19% range. When AI is detected below the 20% threshold in the report, it is now indicated with an asterisk (*%) and no percentage is attributed."(偽陽性が生じる可能性を避けるため、AI 判定スコアが 1% から 19% の範囲にある場合、スコアもハイライトも付与されません。レポート上で AI が 20% 未満と判定された場合は、アスタリスク(*%)で示され、パーセンテージは表示されません。)

Winston AI はこの決まりを使わず、この範囲でも具体的なパーセンテージを表示します。Turnitin で「*%」と出るレポートが、Winston AI では「14%」と出ることもあります。だからといって、どちらかが正確だということではありません。信頼度の低い範囲の扱い方が違う、ということです。Turnitin 側の話はアスタリスク(*%)が Turnitin の AI スコアで意味するものにまとめています。

短い文書と「全部かゼロか」の判定

FAQ には、短い文書がどう振る舞うかも書かれています。

"In shorter documents where there are only a few hundred words, the prediction will be mostly 'all or nothing' because we're predicting on a single segment without the opportunity to overlap."(数百語程度の短い文書では、重ね合わせの機会がないまま単一の区間に対して予測を行うため、予測はほぼ「全部かゼロか」になります。)

その次の文です。"This means that some text that is a mix of AI-generated and original content could be flagged as entirely AI-generated."(つまり、AI が生成した内容と自分で書いた内容が混ざっているテキストでも、全体が AI 生成と判定される可能性があるということです。)

これは Turnitin の区間分割のやり方によるものです。Winston AI が短いテキストで同じ挙動を示すかどうかは分かりません。短い抜き書きを Winston AI で調べて 0% になったとしても、それは Turnitin がどう動くかを何も教えてくれません。この挙動の反対側にあるのがTurnitin に 100% AI と判定された場合です。

意味を持つのはどのスコアか

Turnitin では、AI スコアと類似性スコアは独立しています。"The Similarity score and the AI writing detection percentage are completely independent and do not influence each other."(類似性スコアと AI 記述判定のパーセンテージは完全に独立しており、互いに影響しません。)AI と類似性を 1 つの数字にまとめてしまう判定ツールもありますが、それでは Turnitin が別に出している AI のパーセンテージとは構造的に比べようがありません。提出にあたって意味を持つのは、自分の所属先が使っているツールが出したスコアだけです。同じテキストが判定ツールごとに違うスコアになる理由では、この差がなぜ構造的なものなのかを説明しています。

つまり、あなたはどう動くべきか

ここまでの内容をまとめます。

  • Winston AI と Turnitin はモデルが異なる別の判定ツールです。スコアは一致しません。
  • Turnitin の判定器はテキストを重なり合う区間に分割し、それぞれに確率を付けます。
  • Turnitin の偽陽性の目標値は、AI 記述が 20% を超える文書について 1% 未満です。
  • Turnitin は 1〜19% のスコアにアスタリスクを使い、精度を過大に見せないようにしています。
  • 短い文書では、Turnitin の判定は「全部かゼロか」になります。
  • 意味を持つのは、自分の所属先が使っているツールのスコアだけです。

Turnitin の AI レポートを受け取って、指摘された箇所に手を入れたい場合は、レポートを取り込んで作業してください。対象となる箇所は、追加料金なしで再実行できます。

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