Personal Statement が AI と判定された:形を先に決めたのはお題のほうだった
Common App は数字を公表している。前サイクルのエッセイの 23% が同じ逆境テーマに答えており、そのテーマは三つの質問を決まった順番で求める。UCAS は 2024 年に自由記述欄をやめると発表し、2025 年九月に実際にやめた。そしてそのページは、構造的な変化の少なさを偽陽性の原因として挙げている検出器そのものの提供元に読まれる。
HumanPen チーム
· 13 分
短い答え
出願エッセイは、出願書類のなかで唯一「本人だけの文章」であることが前提とされている。同時に、誰かに頼まれて書く文章のなかで最も厳しく指定された代物でもある。Common App は七つのお題を与え、それぞれを何人が選ぶかを公表している。前サイクルのエッセイの 23% が逆境のお題に答えており、そのお題は三つの質問を決まった順序で求める。UCAS はさらに踏み込んだ。2024 年に自由記述欄を廃止すると発表し、2025 年九月から三つの構造化された質問に置き換えた。Turnitin 自身の FAQ は、偽陽性を生むもののなかに「content without a lot of structural variation」(構造的な変化に乏しいコンテンツ)を挙げている。書き手の四分の一が同じ三つの部分からなる質問に、問われた順のまま答えるようなジャンルは、まさにそれを量産するジャンルだ。誰も不正などしていない。それが課題なのだ。
以下で扱うのは、その指定が文章に何をするか、そして実際の下書きに触れても生き残る唯一の見直しテストだ。スコアの予測はしない。誰にもできないからだ。
Common App はその数字を公表している。珍しく、役に立つ
『みんなが同じエッセイを書いている』という種の主張は、たいてい誰かの印象にすぎない。だがこれには分母がついている。Common App が 2026–2027 年のお題を発表したのと同じ投稿で公表したものだ:
| お題 | 2025–2026 年のエッセイに占める割合 |
|---|---|
| 自分の選んだテーマ | 28% |
| 逆境に向き合う | 23% |
| 個人の成長 | 20% |
| 背景・アイデンティティ・関心・才能 | 18% |
| 知的好奇心 | 5% |
| 感謝 | 3% |
| ある考えに異議を唱える | 3% |
お題は七つ。その投稿は、2026–2027 年もこれらがそのまま続くと述べている。
では、二行目のお題を、実際に印刷されているとおりに読んでほしい:
「The lessons we take from obstacles we encounter can be fundamental to later success. Recount a time when you faced a challenge, setback, or failure. How did it affect you, and what did you learn from the experience?」(私たちが直面する障害から得る教訓は、後の成功の基盤になりうる。あなたが困難、挫折、または失敗に直面したときのことを語ってください。それはあなたにどのような影響を与え、その経験から何を学びましたか。)
これは決まった順序の三つの指示だ。出来事を語れ。自分にどう影響したかを言え。何を学んだかを言え。そのサイクルのエッセイの四分の一近くが、この質問に答える形で書かれた。私はそれらを読んでいないし、他の誰も読んでいない。だが三つの部分からなる質問は、三つの部分で、問われた順に答えられがちだ。
一番上の行も見てほしい。『自分の選んだテーマ』は 28% で最も人気のある選択肢だが、それはこのパターンからの抜け道ではない。すでにエッセイを持っている人が選ぶお題であり、それは多くの場合、残りの六つのどれかに向けて書かれたエッセイか、それらのどれかとそっくりな学校独自の質問に向けて書かれたエッセイを意味する。
UCAS は助言に任せなかった
英国では、その骨組みは断れる慣習ではない。UCAS は 2024 年七月に「the new approach will see a move away from a free text box, with students asked to respond to three structured questions instead,」(新しい方式では自由記述欄をやめ、学生は代わりに三つの構造化された質問に答えることになる)と、また「the new format will be introduced in September 2025 for students applying for 2026 entry.」(新しい形式は 2026 年に入学を希望する学生向けに 2025 年九月から導入される)と発表した。
その三つの質問を、発表文からそのまま引く:
- 「Why do you want to study this course or subject?」(なぜこのコース・科目を学びたいのですか)
- 「How have your qualifications and studies helped you to prepare for this course or subject?」(これまでの資格や学習は、このコース・科目に備えるうえでどのように役立ちましたか)
- 「What else have you done to prepare outside of education, and why are these experiences helpful?」(教育の枠の外で、ほかにどんな準備をしてきましたか。またその経験はなぜ役に立つのですか)
これが今の personal statement であり、いまも文字数で測られている。UCAS の出願者向けページは、書き方のアドバイスを「We talk you through how to make the most of the 4,000 characters and write a personal statement that stands out」(4,000 文字を最大限に活かし、際立つ personal statement を書く方法を順を追って説明します)と導入し、同じページが、あなたの書いているものを「your personal statement answers」(あなたの personal statement の回答)と呼んでいる。つまり 4,000 文字は三つの回答を合わせた総枠であり、それが三つにどう配分されるかはそこには書かれていない。この変更にはもっともな理由がある。UCAS はこの改革を「creating a level playing field for all applicants」(すべての出願者に公平な土台をつくること)と位置づけ、自らの以前の調査を引用した。それによれば学生の 89% が personal statement の目的は明確だと答えたが、「79% reported that the process of writing the statement was difficult to complete without support.」(79% が、支援なしでは statement を書き上げる作業は困難だと報告した)。構造は意図的に足された。かつての空白の箱を一緒に歩いてくれる人がいない学生のために。
副作用は算数の問題だ。どの出願者の第一段落も同じ項目名に答えるなら、全体としてのばらつきは小さくなる。それが狙いだった。そしてそれは、Turnitin が検出器の誤判定について自ら説明する際に冒頭に置いている内容と、一言一句同じでもある。
テンプレートの形と AI の形は、紙の上では同じに見える
ここが受け入れがたい部分なので、提供元自身の言葉で示そう:
「Sometimes false positives (incorrectly flagging human-written text as AI-generated), can include content without a lot of structural variation, text that literally repeats itself, or text that has been paraphrased without developing new ideas.」(偽陽性(人間が書いた文章を AI 生成と誤って判定すること)には、構造的な変化に乏しいコンテンツ、文字どおり同じことを繰り返す文章、あるいは新しい考えを展開せずに言い換えられた文章が含まれることがある。)
そしてその直後の文。引用されるより省かれることのほうが多い:
「If our indicator shows a higher amount of AI writing in such text, we advise you to take that into consideration when looking at the percentage indicated.」(そのような文章で当社の指標が AI による記述の割合を高く示した場合、表示されたパーセンテージを見る際にはその点を考慮することをお勧めします。)
検出器はあなたの意図を読んでいるのではない。ページを読んでいるのだ。生成されたエッセイと、指導を受けたエッセイが同じ少数の手つきに収束するのは、同じ理由による。どちらも期待される形に合わせて作られたからだ。出願エッセイは短くもあり、これはそれに重なる別の問題である。短い文書で Turnitin の AI スコアがどの程度あてになるか では、数百語が予測に何をするかを扱い、なぜ導入部と結論部が AI と判定されやすいのか では、personal statement のなかで最もありふれたものになりやすい二つの段落を扱っている。
仕組みにはこれ以上この記事を割かない。仕組みは実験レポートでも personal statement でも同じだ。違うのは、それに対して何ができるか、そしてその後に何が起きるかだ。
テスト:その文に他人の名前を置いてみる
下書きのどんな文でもよい。別の出願者の名前で、別の国で、別のコースに出願する場面を想像してほしい。それでも通用するか。
通用するなら、その文はジャンルがしゃべっている。それはあなたのものではなく、何の証拠でもなく、そして譲れないはずの語数を占有している。
| 文 | 入れ替えても生き残るか | それは何を意味するか |
|---|---|---|
| 「この経験から、忍耐の価値を学びました。」 | 出願者全員、毎年 | 削除。お題の三番目の指示の言い換えにすぎない |
| 「私は幼い頃から医学に魅了されてきました。」 | 何千人もの人 | 削除するか、何に魅了されたのか、いつそれに気づいたのかに置き換える |
| 「祖母を介護して、共感の大切さを知りました。」 | 思っているより多い人数 | 半分はあなたのもの。出来事は固有的だが、結論はそうではない |
| 「病棟のホワイトボード用マーカーが乾き切っていたので、看護師は手の甲に投与量を書いた。」 | 誰も | 残す。その場に立っていたのは他の誰でもない |
表の下にある規則:お題が求めた拍は残し、そのなかに、あなたしか名づけられないものを入れる。 構造を捨てる必要はない。UCAS がそれを様式に組み込んだのであり、Common App の読み手もそれを期待している。仕事は素材の側にあって、形の側にはない。
これには数えられる形もある。下書きを通し、具体的なものを指す名詞すべてに印をつけてほしい。地図で探せる場所、写真に撮れる物、誰かが確認できる数字、名前のある人。そのうえで段落ごとに見る。印がゼロの段落は、お題が代わりに書いた段落だ。そしてそれは、あなたがいちばん手放したがらない段落でもある。そこで意味づけが行われるからだ。そして意味づけこそが、共有財産になっている部分なのだ。
二つの手続き、そして期限があるのはそのうち一つだけ
ここが、出願エッセイが課程の課題に似なくなる地点だ。そしてその違いは文書になっている。
Common App の不正ポリシーは AI の出力を名指ししている。「Fraud」の定義の下、挙げられている状況の一つは次のとおりだ:
「Submitting plagiarized essays or other written or oral material, or intentionally misrepresenting as one's own original work: (1) another person's thoughts, language, ideas, expressions, or experiences or (2) the substantive content or output of an artificial intelligence platform, technology, or algorithm」(盗作されたエッセイや他の書面・口頭の資料を提出すること、あるいは他人の思考・言葉・発想・表現・経験、もしくは人工知能のプラットフォーム・技術・アルゴリズムの実質的な内容や出力を、故意に自分の独創的な作品として提示すること)
この条項は今回のサイクルで新しくなったものではない。そのページには「Date of Last Update: August 2023.」(最終更新日:2023 年八月)とある。
Common App 自身が不正の認定に至った場合、期限つきの手続きがある。申し立ての出所を明記した書面による通知。「within ten (10) business days from the date of Common App's written notice by submitting a written statement and any relevant supporting documentation.」(書面による陳述書と関連する裏付け資料を提出したうえで、Common App の書面による通知の日から十 (10) 営業日以内に)行える申し立ての機会。その陳述書に対する「within fourteen (14) business days」(十四 (14) 営業日以内)の審査。そして書面による最終決定。
では、同じポリシーにあるもう一つの手続き:
「Common App does not require members to report to us every instance of alleged Fraud, but members may do so consistent with the member's own internal fraud detection protocols.」(Common App は、不正の疑いがある事例のすべてを加盟校に報告することを求めない。ただし加盟校は、自らの内部の不正検出プロトコルに従って報告してもよい。)
そして:
「Any determination made or action taken with regard to the disposition of an application by a member College and/or University for any reason is undertaken solely at the discretion and risk of the member.」(加盟大学がいかなる理由であれ、出願の処理に関して行う判断または措置は、すべて加盟校自身の裁量と責任においてのみ行われる。)
この二つを並べて読んでほしい。大学には独自の検出プロトコルがあり、そこで何が出てきたかを報告する義務はない。そしてその後あなたの出願をどう扱うかは、大学だけの問題だ。その経路には十日間の窓口はない。請求できる報告書もない。疑問が呈されたことを誰かに知らせる義務を課す規定もない。あるのは決定通知だけで、決定通知は項目を並べない。
この非対称性は、力の配分を変えるはずだ。課程の課題なら、できることのかなりの部分は判定の後にある。担当教員にレポートの PDF を求め、面談を申し込み、下書きとバージョン履歴を持参し、スコアを行動の唯一の根拠にすべきではないという提供元自身の声明を指し示す。この後半部分まるごとが紙の上に存在しており、自分で書いたのに判定された と Word・Google Docs・Overleaf でバージョン履歴を残す方法 で詳しく見てきた。入学審査では、そのほとんどが存在しない。てこになるのは下書きだけ、そして下書きは提出ボタンを押すまでしかてこにならない。
固有の細部が殺されるのは、たいてい初稿ではなく六稿目だ
このジャンルに起きるもう一つのことが指導だ。カウンセラーが読み、教師が読み、親が読み、金を払ったコンサルタントが読み、そして全員がより洗練された文を提案する。誰も誤った提案はしない。六回通した結果は、角のない、指紋もない文書だ。
Turnitin の偽陽性のリストには「text that has been paraphrased without developing new ideas.」(新しい考えを展開せずに言い換えられた文章)が含まれる。新しい素材を入れずに言い換えを六回重ねるのは、それをかなり正確に言い当てている。
だから初稿を取っておいてほしい。提出前に初稿と最終稿を並べて開き、具体的な名詞がまだ残っているか確認する。磨き上げの回合で最初に削られるのは、たいてい誰かが分かりにくいと言った風変わりな細部だ。乾き切ったマーカー、4:50 のバス、きれいに収まらない数字。荷物を全部背負っているのはそういう文だ。この問題の一般形を提供元の文言とともに なぜ AI 検出器は上手に書かれたエッセイを判定するのか で扱っている。わざと下手に書くべきかは別の、そしてより悪い考えで、AI 判定を避けてわざと下手に書く学生と、その裏目 で扱っている。
書き直すつもりなら
personal statement を書き直すときに高くつくのは、書く作業ではない。書き直した文のすべてについて、それが今も自分について真実かどうかを確かめねばならないことだ。「二つの夏のあいだ診療所を手伝った」を、こっそりともっと立派な何かに書き換えるのは、文体の変更ではない。不正ポリシーが問題にしているものそのものだ。
HumanPen というツール はその境界線を明示している。自分で対象に入れない限り、何も書き直されない。対象の指定は二通り。自分で箇所に印をつけるか、Turnitin か iThenticate の AI レポートを渡して、判定された箇所をそのままリストにするかだ。対象から外した部分は、書いたとおり一バイトも変わらず残る。単位は段落なので、選択が段落の途中で終わっていれば段落全体に広げられ、その結果は処理が始まる前に示される。課金も同じ線に沿い、実際に書き直された語数だけを数える。DOCX、PPTX、TXT に対応し、TXT は与えた空白が保たれる。ウェブのフォームに貼り付ける物にとって、それは価値がある。戻ってきてもなお判定された箇所は、条件を満たせば無料でもう一度通せる。
同ツール自身の FAQ は、複雑な文書はダウンロードした後に目を通すよう求めている。personal statement の場合、目を通すとは特に一つのことを意味する。それぞれの主張を、自分に実際に起きたことと突き合わせて読み直すことだ。この確認は他の誰にもできない。そして何かを決するのは、この確認だけだ。
よくある質問
Common App は私のエッセイに AI 検出器をかけるのか。 不正ポリシーは、Common App は「will not independently judge, evaluate, conduct any verification of, or perform an investigation on any information provided on or about a student-applicant and/or application from a Reporting Member, except to the extent required to address misuse of the Common App Solution consistent with this Policy and our Terms of Use.」(報告加盟校から提供された、出願者および出願に関する情報を自ら判断、評価、検証、または調査することはしない。ただし、本ポリシーおよび利用規約に従い、Common App Solution の不正利用に対処するために必要な範囲は除く)としている。同じポリシーは、加盟校が「the member's own internal fraud detection protocols.」(加盟校自身の内部の不正検出プロトコル)を備えていることにも触れている。つまり、存在する確認は個々の大学の側にあり、それぞれが何を動かしているかは公表されていない。ある機関に検出器があるかどうかは、ポリシーの問題である前にライセンスの問題であり、それは 大学は AI 検出器を使っているのか で検討している。
アイデア出しにだけ AI を使った。それも対象か。 ポリシーの文言は「intentionally misrepresenting as one's own original work」(自分の独創的な作品として故意に提示すること)について、他人の資料、または「the substantive content or output of an artificial intelligence platform, technology, or algorithm.」(人工知能のプラットフォーム、技術、またはアルゴリズムの実質的な内容や出力)のいずれについても述べている。自分の使い方がどこに位置するかは、あなたが署名する宣誓文と、各大学からの追加の指示の問題であり、それらは大学ごとに異なる。要約ではなく、自分が実際に同意する宣誓文の本文を読んでほしい。この問いの一般形は アイデア出しにだけ AI を使った:それでもエッセイは判定されるか にある。
私の statement は短い。判定されやすくなるのか。 短い提出物は、ジャンルにかかわらず Turnitin のモデル下で異なる振る舞いをする。提供元は、短い文書の予測は重なりがなく平均化できない単一セグメントになるため、all-or-nothing(全部かゼロか)に傾きやすいと説明している。それは予測がどう作られるかについての記述であって、あなたのエッセイについての予測ではない。短い文書における Turnitin の AI スコアの精度 に文言の全文がある。
23% の人が選ぶからといって、逆境のお題を避けるべきか。 否。そしてお題を変えても問題は直らない。中の文が入れ替え可能なら、お題一もお題五も同じありふれたエッセイになる。23% は自分の名詞を点検する理由としては役に立つが、より珍しい問いを選ぶ理由にはならない。
検出器が私の statement に低いスコアを出した。それは自分で書いた証拠になるか。 ならない。Turnitin は自らのモデルが「may not always be accurate (it may misidentify human-written, AI-generated, and AI-paraphrased text),」(必ずしも正確とは限らない(人間が書いた文章、AI が生成した文章、AI で言い換えた文章を誤って識別することがある))としており、これは双方向に効く。低い数値は証明書ではない。どんな道具も、文書を誰が書いたかを確定させることはできない。