査読者はTurnitinのAI検出器を確認するのか
自分で実行したチェックのスコアからは、ジャーナルの作業の流れは分かりません。このガイドでは、誰が原稿を検査する可能性があるのか、その人がどのレポートを受け取る可能性があるのか、そして編集部に尋ねるべき具体的な質問を説明します。
HumanPen チーム
· 8 分
査読者はTurnitinのAI検出器を確認するのか
ジャーナルによっては、原稿審査の過程でiThenticateなどのサービスを利用することがあります。ただし、外部の査読者がTurnitinのAI検出器を確認したり、そのAI Writing Reportを目にしたりするとは限りません。審査は編集部や編集者が担う場合があり、レポートをどのように回すかはジャーナルごとに決めています。またTurnitinは、テキストの類似性とAI執筆の検出を別の結果として扱っており、iThenticate 2.0の利用者がAI執筆検出を使うには別途アドオンが必要です。個別の投稿について確実な答えを得る方法は、投稿先ジャーナルの書面の方針を確認するか、編集部に直接問い合わせることだけです。
ほかの場所で自分が出したTurnitinのスコアでは、この疑問は解決しません。それは、ある時点で、機能が有効なアカウントが一つのファイルについて報告した内容を示すだけです。ジャーナルがどの製品を契約しているか、原稿がシステムに入ったときにAI検出が有効だったか、誰がどのレポートを受け取ったか、ジャーナルがそれをどう扱うかは分かりません。
一つの質問に押し込められがちな六つの境界
| 作業の流れのどの段階か | 意味するもの | 確実に言えること | 言えないこと |
|---|---|---|---|
| 原稿審査 | 投稿または編集の流れの中で使われる検査 | Crossrefは、編集者向けのiThenticateの流れの中でSimilarity Reportが作成されると説明している | どのジャーナルも同じ検査をしていること、審査にAI検出が含まれること、あるいは検査がいつ行われるか |
| 編集者・編集部 | 初期審査、査読者の選定、やり取り、編集上の判断を担う人たち | ジャーナルの流れがそう定めていれば、審査結果を受け取ったり確認したりする | 担当編集者がすべてのレポートを見ていること、あるいは一つの結果を同じように扱っていること |
| 査読者 | 原稿の学術的な内容を評価するために招かれた外部の専門家 | 査読者が見るのは原稿と、ジャーナルが提供すると決めた資料 | 査読者がiThenticateのアカウントやAIのレポートを持っていること、あるいは編集者と同じ権限を持っていること |
| Similarity Report | 比較対象の資料とのテキストの一致を示すレポート | Crossrefは、編集者が強調表示された一致箇所を確認し、独自にオリジナリティを判断できるとしている | Similarity ScoreがAI執筆の割合だということ |
| AI Writing Report | Turnitinのモデルが、AI生成またはAI言い換えの可能性が高いと分類したテキストを示す別の画面 | Turnitinは、この割合はSimilarity Scoreとは独立しているとしている | その機能が契約されていること、有効であること、あるいは特定の査読者に見えていること |
| ジャーナル固有の方針 | 自分の論文を扱うジャーナルの規則と作業の流れ | 開示の義務、審査の実務、懸念への対応方法を定めている場合がある | 出版社全体の声明が、ジャーナルごとのあらゆる質問に答えてくれるということ |
この表が答えの中心です。「ジャーナルが私の論文をTurnitinでチェックした」という言い方は広すぎて、どのレポートなのか、誰が見たのか、どの段階で使われたのかが特定できません。
原稿審査と査読は別の役割
CrossrefのSimilarity Checkのドキュメントには、編集者がiThenticateに原稿を送信し、Similarity Reportを受け取り、出版前に一致箇所を確認すると書かれています。これは編集者向けの類似性の流れがあることの証拠です。すべての外部査読者が自分で検査を行うことや、すべてのジャーナルが同じ段階で検査することの証拠ではありません。
この違いは責任の所在の問題であり、決まった順序があるということではありません。TurnitinとCrossrefの公開ドキュメントには、各ジャーナルがいつどの検査を行うか、その後どの資料を査読者と共有するかは書かれていません。査読者からの指摘が、ジャーナルが提供した資料に基づく場合もあれば、検出結果ではなく査読者自身の気づきである場合もあります。査読者の言葉から推測するのではなく、ジャーナルにどの経路が適用されたのかを尋ねてください。
現在の出版社の方針も、この役割の境界を裏付けています。Elsevierのジャーナル向け方針には、著者、査読者、編集者で別々のセクションがあります。査読者には自身の学術的な評価に対する責任が、編集者には編集の過程と最終判断に対する責任が割り当てられています。この方針は普遍的なTurnitinの流れを定めるものではありませんが、「編集者」と「査読者」を同じ意味の言葉として扱わないべき理由としては明確です。
Similarity ReportではAIの疑問に答えられない
CrossrefはSimilarity Checkを、テキストの重複を見つける手段として説明しています。そのドキュメントでは、iThenticateがSimilarity Scoreと強調表示された一致箇所を作成し、それを編集者が解釈するとされています。
TurnitinのAI Writing Reportガイドは別の線を引いています。AI執筆の割合はSimilarity Scoreとは独立しており、AI執筆の強調表示はSimilarity Report自体には表示されないとしています。現在のTurnitinのFAQでは、iThenticate 2.0の利用者はAI執筆検出をアドオンとして契約した場合にのみ利用でき、機関がこの機能を無効にすることもできるとしています。
つまり、ジャーナルがAI Writing Reportを作成せずにiThenticateを類似性の確認に使うことはあり得ます。また、AI検出が利用可能でも、その結果を外部の査読者に送らないこともあり得ます。レポートにAIのセクションがないからといって、どちらの状態なのかは特定できません。
ジャーナルに尋ねるべきこと
まずは投稿先ジャーナルの投稿規定と、出版社の方針ページを確認します。「人工知能」「生成AI」「審査」「類似性」「開示」を検索してみてください。そのうえで、投稿システムでどの申告を求められるかを確認します。
それらのページで作業の流れに関する疑問が解消しない場合は、編集部に的を絞った依頼を送ります。
このジャーナルでは、初期の原稿審査でAI Writing Reportを使用していますか。使用している場合、そのレポートは編集部、担当編集者、外部の査読者、またはそれらの組み合わせのうち、誰が確認するのでしょうか。その結果をどのように扱うかは、どの書面の方針で定められているのでしょうか。
この聞き方なら、三つの質問を分けて扱えます。レポートが存在するか、誰が受け取るか、どの規則が適用されるか、です。「AIをチェックしていますか」のような漠然とした質問では、類似性の審査、開示の確認、AI検出が混ざった答えが返ってくることがあります。
公開ページに書かれていないからといって、内部の検査が存在しない証拠にはなりません。公開されている案内は不完全な場合もあれば、後で更新される場合もあります。ページのURLと閲覧した日付を記録し、ジャーナルからの返答は投稿の記録と一緒に保管してください。
編集者や査読者からAIへの懸念を指摘されたら
まずは何がその懸念のきっかけになったのかを尋ねます。初期審査のレポート、担当編集者のコメント、査読者の気づき、投稿時の申告との食い違いのいずれでしょうか。これらは別の出来事です。
存在する場合は完全なレポート、指摘されている箇所、適用されるジャーナルの方針を求めます。変更を加える前に、提出したファイルを保全します。そのうえで、研究の作業にふさわしい記録で応じます。下書き、版の履歴、データと分析のファイル、文献のメモ、変更履歴、共著者のコメント、やり取りです。
Turnitinは教員向けに、自社のモデルが人間が書いた文章、AIが生成した文章、AIが言い換えた文章を誤って判定する可能性があり、学生に不利益な対応をする唯一の根拠にすべきではないと説明しています。この案内は教室向けに書かれたもので、ジャーナル出版の規則ではありません。ここから得られる教訓はもっと限定的です。分類器の出力には人による確認と、適用可能な方針が必要だということです。ジャーナル原稿の場合は、その方針が何なのかをジャーナルが説明する必要があります。
確認した公式情報
提供元の名前よりも、それぞれの情報源がどこまでのことを示すのかが重要です。以下のページは2026年8月31日に再確認しました:
- Crossref Similarity Checkのドキュメント──編集者向けのiThenticate類似性の流れについて。
- TurnitinのAI Writing Reportガイド──AI執筆と類似性の結果の分離、レポートの限界、教室向けの不利益な対応の案内について。
- TurnitinのAI執筆検出FAQ──iThenticateのアドオン契約と有効化について。
- Elsevierのジャーナル向け生成AI方針──著者、査読者、編集者の責任の違いについて。
それぞれの情報源が示すのは、上に書いた境界だけです。すべてのジャーナルがTurnitinのAI検出器を使っているとも、すべての外部査読者がそのレポートを受け取っているとも、どこにも書かれていません。
よくある質問
どのジャーナルもTurnitinかiThenticateを使っていますか。 普遍的な主張は裏付けられません。Crossrefが説明しているのは、参加する出版社が利用するiThenticateベースの一つのサービスであり、作業の流れはジャーナルや出版社ごとに決めています。
類似性をチェックするジャーナルは、AI執筆もチェックしていますか。 必ずしもそうではありません。TurnitinはiThenticate 2.0のAI機能をアドオンとして説明しており、二つの結果は独立しています。
査読者には私のTurnitinのAIスコアが見えていますか。 ジャーナルがレポートを持ち、共有すると決めれば見える可能性はあります。しかしTurnitinとCrossrefの公開ページには、すべての外部査読者がそれを受け取ると書かれているわけではありません。自分の投稿でどの経路で共有されるのかを編集部に尋ねてください。
自分で実行したTurnitinチェックの高いスコアは、拒否の前兆ですか。 いいえ。ジャーナルが契約している機能、作業の流れ、レポートへのアクセス、判断の方針は分かりません。ファイルを保全し、自分で出したスコアを決定として扱うのではなく、実際の手続きについて尋ねてください。
AI Writing ReportはSimilarity Reportと同じですか。 いいえ。Turnitinは二つの割合は独立しているとしており、AIの強調表示はSimilarity Report自体には表示されないとガイドに書かれています。
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