学位論文でAIを使ったと疑われたとき——面談に持参すべきもの

学位論文がAIに書かれたと言われるのは怖いことです。あなたにはカードが四枚あり、そのうち二枚は、ツールを作った当の企業から手渡されたものです。

HumanPen チーム

· 13 分

まず結論から

TurnitinのAIスコアについて呼び出されたなら、その面談に持っていくべきものが四つあります。しかもそのどれも、「このツールは機能していない」と主張することを求めません。一つ目は、AIスコアを不利益な措置の唯一の根拠にしてはならないと述べた、Turnitin自身の文書の中の一文です。二つ目はレポートそのもの——あなたにはそれを見る権利があります。三つ目はバージョン履歴です。四つ目はこれもTurnitinの一文で、学位論文によく見られる特徴がテキストにある場合、高いスコアは割り引いて考えるべきだというものです。

以上が全体の見取り図です。この記事の残りの部分では、それぞれのカードがどこから来るのか、何ができて何ができないのかを説明します。AIの使用を否定する方法を教えるものではありません。面談を、たった一つの数字の話ではなく、証拠と手続きの話にするための方法を説明するものです。

この違いが重要なのは、数字そのものは、その土俵の上では議論のしようがないからです。計算したのはあなたではありません。モデルの内部を調べることもできません。できるのは、計算した側に自分たちのガイダンスに従ってほしいと求めること、そしてあなたしか持っていない資料を持ち込むことです。

一枚目のカード:Turnitin自身が、スコアは唯一の根拠にしてはならないと言っている

TurnitinのAIライティングレポートのガイドには、次のように書かれています。

「Our AI writing detection model may not always be accurate (it may misidentify human-written, AI-generated, and AI-paraphrased text), so it should not be used as the sole basis for adverse actions against a student.」(当社のAIライティング検出モデルは常に正確とは限りません。人が書いたテキスト、AIが生成したテキスト、AIで言い換えたテキストを誤って判別する可能性があるため、学生に対する不利益な措置の唯一の根拠として使用すべきではありません。)

この引用が使われるたびに必ず落とされてしまうのが、その直後の一文です。

「It takes further scrutiny and human judgment in conjunction with an organization's application of its specific academic policies to determine whether academic misconduct has occurred.」(学術的不正が起きたかどうかを判断するには、さらなる精査と人による判断、そして組織が自らの学術ポリシーを適用することが組み合わさって初めて可能になります。)

この二つの文はセットで読んでください。前者は、この数字を単独で使ってはならないと言っています。後者は、代わりに何をすべきかを述べています。さらなる精査、人による判断、そして機関自身のポリシーです。これは学生が言っていることではありません。ツールを作った企業が、数字を手にしている人に、結論を出す前にもう一段踏み込んだ作業を求めているのです。

FAQページも同じことを別の言い方で述べています。「the percentage on the AI writing indicator should not be used as the sole basis for action or a definitive grading measure by instructors.」(AIライティング指標のパーセンテージは、教員が対応の唯一の根拠や決定的な採点基準として用いるべきではありません。)さらに2023年十二月のリリースノートも同じことを繰り返しています。「an AI Writing score should not be used as the sole basis for adverse actions against a student.」(AIライティングのスコアは、学生に対する不利益な措置の唯一の根拠として用いるべきではありません。)三つのページが、同じ指示を出しているのです。

AIライティングレポートの確認方法と題された別のページもあり、そこでは次のように表現されています。

「It is not meant to provide definitive answers in isolation. More important than any tool is the educator who sees the score and makes decisions balancing this information with their personal knowledge of their students, their work, and institutional policy.」(単独で決定的な答えを出すことを目的としたものではありません。どんなツールよりも重要なのは、スコアを見て、この情報を学生やその作品についての自分自身の理解、そして機関の方針と照らし合わせながら判断を下す教育者です。)

その次の文が、これを完成させます。

「When educators look at the AI writing score and utilize it as a single data point rather than a definitive response, then it is being used as intended.」(教育者がAIライティングのスコアを、決定的な回答ではなく一つのデータポイントとして扱うなら、それは想定された使い方をしていることになります。)

つまり、企業自身が自社のスコアを一つのデータポイントと呼んでいるのです。評決ではありません。決定的な回答でもありません。一つのデータポイントです。もしあなたの面談が数字の提示だけで始まり、その先の議論がなければ、進行役はメーカーが使うべきでないと言っている使い方をしていることになります。

このカードがしないこと:それは「数字が間違っている」とは言いません。「数字だけでは不十分だ」と言うのです。こちらの方が弱い主張ですが、その分だけしっかりしています。スコアが何を示し、何を示さないのかについては、TurnitinのAIライティングレポートの読み方で詳しく書きました。

二枚目のカード:レポートを見る権利がある

TurnitinのFAQには、今のあなたに関わる二つのことが書かれています。

「Please note, only instructors and administrators are able to see the indicator.」(なお、この指標を閲覧できるのは教員と管理者のみです。)

そして同じページには、こうあります。

「The AI writing detection indicator and report are not visible to students.」(AIライティング検出の指標とレポートは、学生には表示されません。)

この後の一文が、それを覆します。

「However, with the PDF download feature, instructors can download and share the AI report with students.」(ただし、PDFダウンロード機能を使えば、教員はAIレポートをダウンロードして学生と共有できます。)

まとめると、こうです。自分でログインしてAIスコアを見ることはできません。指導教員にはできます。そして指導教員は、レポートをPDFでダウンロードしてあなたに渡すことができます。それがまだ誰にもされていないのなら、あなたは一度も開いたことのない紙面に載っている、一度も見たことのない数字についての面談に座っているということです。

だから、最初の要求は単純です。AIライティングレポートのPDFを求めてください。パーセンテージのスクリーンショットではなく、レポート全体です。全体を見れば、どこがハイライトされているか、何語が分析されたか、そしてスコアが実際の数字なのかアスタリスクなのかが分かります。これらが何を意味するのかは、自分で書いたのに検出されたで検討しました。

数値が1%から19%の間の場合、Turnitinはパーセンテージを表示しません。アスタリスクを表示します。その範囲の数字が転記されていたとしても、レポート自身がその数値を保証しているわけではありません。20%という基準にそもそも意味があるのかは別の問題で、AIが20%なら高すぎるのかで検証しています。

このカードがすること:数字についての主張から、二人で見られる文書についての議論へと会話を移します。しないこと:数字がいくつになるかを教えてはくれません。高いスコアが出ているかもしれません。それでも少なくとも、それが何に対して付けられたものかは分かります。

三枚目のカード:バージョン履歴は時系列の証拠になる

Word、Google Docs、Overleafのいずれで学位論文を書いたとしても、そのプラットフォームはバージョン履歴を保存しています。その履歴は、数日、数週間、あるいは数か月にわたって文書に変更が加えられた時刻の記録です。一度に貼り付けられたAI生成の下書きと、何十回もの作業を重ねて編集が積み上がった文書とでは、見え方が違います。

これは、あなたしか持っていない唯一の証拠です。機関はあなたのバージョン履歴を持っていません。Turnitinも持っていません。指導教員は途中の下書きをいくつか見ているかもしれませんが、編集ログの全記録まで持っている可能性は低いでしょう。持っているのはあなたです。

持参するもの:

  • バージョン履歴そのもの。書き出したものでも、ノートPCの画面で見せられる状態のものでも構いません。
  • 手元に残っている最も古い下書き。粗いものでも構いません。
  • 指導教員にメールや共有ドキュメントで送った下書きと、その送信日。
  • 学位論文に取り組む間に作成したメモ、構成案、注釈入りのPDF。これらは執筆過程の残滓であり、その日付は一度の生成ではありえない道筋を描き出します。

目的は「何もなかった」ことを証明することではありません。どの段階でもAIが関与していないことを証明するのは不可能です。目的は、その文書に、人が時間をかけて書いた場合と整合する履歴があることを示すことです。それはスコアでは扱えない証拠です。スコアは最終的なテキストしか見ないからです。

このカードがしないこと:何かを反証するわけではありません。バージョン履歴が示せるのは、編集が行われたということです。そして編集は、人が下書きし、フィードバックを受けて修正し、提出前に仕上げた文書とも整合します。同時に、AIの下書きを貼り付けてから編集した場合とも整合します。それでも有用なのは、問いを「この数字は正しいのか」から「全体像はどうなっているのか」へと移してくれるからです。そして全体像を提示できるのは、あなただけです。

四枚目のカード:Turnitinは、一部の文章ではスコアが高めに出ると言っている

これは、自分が持っていると知らない人が多いカードです。TurnitinのFAQページには、誤検知を生みやすいテキストの特徴が挙げられています。

「Sometimes false positives (incorrectly flagging human-written text as AI-generated), can include content without a lot of structural variation, text that literally repeats itself, or text that has been paraphrased without developing new ideas.」(誤検知、すなわち人が書いたテキストをAI生成と誤って判定することには、構造的な変化に乏しい内容、文字どおり同じことを繰り返す文章、あるいは新しい考えを展開せずに言い換えただけの文章が含まれることがあります。)

面談で効いてくるのは、その次の一文です。

「If our indicator shows a higher amount of AI writing in such text, we advise you to take that into consideration when looking at the percentage indicated.」(そのような文章に対して当社の指標が高いAIライティング量を示した場合、表示されたパーセンテージを見る際にはその点を考慮に入れるようお勧めします。)

これが何をカバーしているか、読んでみてください。構造的な変化に乏しい内容。文字どおり同じことを繰り返す文章。新しい考えを展開せずに言い換えただけの文章。この三つは学位論文のかなりの部分、とりわけ文献レビューと方法論の章を説明しています。文献レビューは既存の研究を要約するものであり、それは本質的に言い換えの作業です。方法論の章は定型の構造に沿って同じ表現を繰り返します。どちらも新しい考えを提示するべきではありません。新しい考えは分析と考察の章に属するものだからです。

つまり、検出された箇所が文献レビューや方法論であれば、ツールを作った企業が、スコアを読む人にまさにその理由で割り引いて考えるよう求めていることになります。あなたではなく、企業が、です。

ここには注意も必要です。Turnitinは2023年五月のリリースノートでも、誤検知が文書の最初と最後の数文に集中していたことを認めています。

「Since launch, we have observed a higher incidence of false positive detection in the first few or last few sentences of a document. Many times these sentences consist of introduction or conclusion content written in a generic way. As a result, we have changed our detection logic to help reduce these false positives.」(提供開始以降、文書の最初の数文または最後の数文において誤検知の発生率が高いことが観察されています。これらの文は、多くの場合、ありきたりな書き方をされた導入部や結論部の内容で構成されています。その結果、当社はこれらの誤検知を減らすため検出ロジックを変更しました。)

鍵になるのは最後の表現です。「we have changed our detection logic to help reduce these false positives.」(これらの誤検知を減らすため検出ロジックを変更しました。)これは2023年に発表された修正です。現在の弱点として指摘できるものではありません。ツールが時間とともに変化するという証拠であり、それは面談において二つのことを意味します。第一に、半年前に生成されたレポートは、今日生成されるものとは異なるロジックで作られている可能性があるということ。第二に、ツールが壊れていると主張するのは、すでに動いてしまった的を狙う行為だということです。ツールは改善されている、だから自分のケースはそれ自体として検討されるべきだと言う方が、あなたの立場は強くなります。ツールは役に立たないと言うより、ずっと強くなります。

やってはいけないこと

この面談であなたを傷つけるものが三つあります。どれも、やりたくなるものです。

Turnitinは正確ではない、と言わないこと。 企業自身が、自社のモデルは常に正確とは限らないと述べ、スコアを対応の唯一の根拠にしてはならないと述べています。そこがあなたのてこです。さらに踏み込んでツールは機能していないと主張すれば、支えきれない主張をすることになり、機関が選んだシステムと争うことになります。向かいの人は態度を硬化させます。正しい姿勢は、ツールには記録された限界的な誤り率があり、その扱い方についても記録されたガイダンスがある、だからそのガイダンスに従ってほしいと求めることです。

話すことを拒否しないこと。 沈黙は罪の告白と受け取られます。あなたには提示すべき証拠があります。退室すれば、面談はあなたのバージョン履歴なしに、あなたの下書きなしに、そして文章タイプについてのあの一文を誰にも聞かれないまま進みます。このリストのカードが機能する唯一の方法は、あなたが出席してテーブルに並べることです。

古い「最初と最後の文」論法を持ち出さないこと。 すでに述べたとおり、あれは2023年の修正であって、現在の欠陥ではありません。ツールが現在壊れている証拠として持ち出せば、相手は検索して修正を見つけ、あなたが持ってきた他のすべての信用まで失われます。

準備のしかた

面談の前に、次のものをそろえてください。

  1. AIライティングレポートのPDF。 持っていなければ請求してください。数字がいくつなのか、ハイライトがどこにあるのか、それがパーセンテージなのかアスタリスクなのかを把握しておく必要があります。
  2. バージョン履歴。 書き出すか、ノートPCですぐ見せられるようにしておきます。Overleafを使っていたならページ履歴があります。Google Docsなら「ファイル」>「変更履歴」にあります。WordならOneDriveの自動保存が有効だったかどうかによりますが、それがなくても、下書きのファイルとその更新日が物語を語ります。
  3. 執筆過程の資料。 メモ、注釈入りのPDF、構成案の下書き、指導教員とのメールのやり取り、以前の下書きへのコメント。学位論文が一度の作業で作られたものではないと示すものなら何でも構いません。
  4. 答えてほしい具体的な質問のリスト。 台本でも演説でもなく、質問です。「どのセクションが検出されましたか」「このレポートは2023年五月のロジック変更の前と後、どちらに生成されたものですか」「検出された文章は、Turnitinが誤検知を生みうると述べている分類に当てはまりますか」。こうした質問は、面談を、告発に対して身を守る場ではなく、調査に参加する場に保ってくれます。

面談は裁判ではありません。本来は確認の場であり、Turnitin自身の文書も、そこにはさらなる精査と人による判断が伴うべきだとしています。あなたの仕事は、その確認を可能にする資料を持ち込むことです。

私たちの立場

HumanPenというツールは文書の書き換えツールです。学位論文を書き換えツールに通せばAIスコアが消える、などとは言いません。将来のスコアについて私たちは一切の主張をしないからです。言えるのは、このツールが何をするかです。AIライティングレポートと一緒に文書をアップロードすると、レポートが検出した箇所だけが書き換えられます。それ以外の部分は一字一句そのままです。出力は、最終的なものとする前にあなた自身が確認します。

すでに高いスコアのレポートが返ってきており、面談の前に検出箇所を修正したいという状況なら、それは一つの選択肢です。オリジナルの文書とバージョン履歴を持って面談に臨み、証拠に語らせたいというのであれば、それも一つの選択肢です。どちらも正当です。ただ、面談が先です。

よくある質問

面談への出席を拒否できますか。 できますが、最悪の手です。面談はあなたが証拠を提示する場です。あなたがいなければ、機関はスコアだけに基づいて判断を下します。それはまさに、Turnitinがあってはならないとしている結果です。

スコアが100%だったら。 100%というスコアは、すべての文がAIによって生成された証拠ではありません。100%のスコアが何を意味し何を意味しないのかは、別の記事で検討しました。面談で重要なのは同じことです。レポート全体を請求し、バージョン履歴を持参し、具体的な質問をしてください。

バージョン履歴はAIを使っていない証明になりますか。 なりません。示せるのは、文書が人間の執筆と整合するパターンで時間をかけて編集されたということです。「何もなかった」ことは証明できません。それがすることは、レビュアーにスコア以外の見るべき対象を与えることであり、そこに価値があります。

学位論文の一部にAIを使っていたら。 この記事は、AIの使用を否定する方法を教えるものではありません。一部でもAIを使ったのであれば、それは面談で他のすべてと一緒に議論されるべきことです。ここで引用した文書、バージョン履歴、文章タイプについてのガイダンスは、それでも適用されます。それらはスコアをどう解釈すべきかについてのものであり、AIが使われたかどうかについてのものではないからです。

書き換えツールに通せばスコアは解決しますか。 将来のスコアについて私たちは主張しません。HumanPenがするのは、あなたが選んだ検出箇所を書き換えることです。次のレポートが下がるかどうかはお約束しません。モデルは変化しますし、レポートを作成するのはTurnitinであって私たちではないからです。

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